FXのバックテスト結果で、
「勝率90%」「PF 3.0」
といった数字を見た瞬間に、こう思ったことはないでしょうか。
これはさすがに強い手法だろう
この記事では、その直感がなぜ危険なのかを、
勝率・PF・資産曲線・ドローダウンの関係から、容赦なく分解します。
なぜ「勝率が高い手法」ほど危険になるのか
勝率・期待値がプラスでも破産は起こる
勝率は「当たった回数 ÷ 全トレード数」でしかありません。
そこには 負けがいつ来るか、連敗が固まるか という情報が一切含まれていません。
つまり勝率とは、順序を完全に無視した指標です。
60%の勝率なのに負ける理由と最大ドローダウンを軽視するトレーダーが破産する確率を合わせて読むことで、より深く理解できます。
短期間バックテストが生む幻想
次の資産曲線を見てください。

- 青線:短期間(100トレード)のバックテスト
- オレンジ線:同じルールを、より長期間に適用
短期では「完璧」に見えますが、
期間を伸ばした瞬間に、単なる右肩上がりの幻想だと分かります。
この時点で起きているのは、
手法が優れているのではなく、たまたま事故が起きていないだけです。
PF(プロフィットファクター)が信用できない本当の理由
PFは「平均値」であり、分布を見ていない
PFは以下の式で計算されます。
PF = 勝ちトレードの合計 ÷ 負けトレードの合計
一見合理的ですが、この指標は 損益の形状を一切見ていません。
- 勝ちが均等なのか
- 一発の巨大な勝ちがあるのか
- 負けが固まっているのか
これらはすべて、PFからは読み取れません。
たった1回の外れ値がPFを破壊する
次のグラフを見てください。

- ほとんどは小さな勝ち負け
- たった1回の巨大な勝ちがPFを押し上げている
この1トレードを除くだけで、PFは別物になります。
PFが高い = 安定している
という認識は、完全に誤りです。
勝率・PFが高い=安全、ではない
PFと最大ドローダウンは相関しない
次は、複数の手法をプロットした散布図です。

- 横軸:PF
- 縦軸:最大ドローダウン(Max DD)
PFが高くても、
深いドローダウンを抱えている手法が大量に存在しているのが分かります。
つまり、
PFが高い ≠ 資金が安定している
ということです。
本当に見るべきは「DD分布」
単一のMax DDを見るだけでは不十分です。
- 平均DD:ほぼ無意味
- 最大DD:運に左右される
本当に見るべきなのは、
「どの程度のDDが、どれくらいの確率で起こるか」
という分布そのものです。
こちらの記事では、あらゆるトレード結果の見方を詳しく解説しています。
カーブフィッティングは「優秀な数字」を作る技術
なぜ勝率とPFは最適化しやすいのか
- パラメータを少し動かすだけで上がる
- 過去の特定期間に強烈に適合する
- 市場構造を一切考慮しなくても成立する
勝率・PFは、
カーブフィッティングに最も向いている指標です。
「当たっているように見える瞬間」が一番危険
その手法は、
- 相場を捉えているのではなく
- 過去のノイズに寄せているだけ
という可能性を、常に疑う必要があります。
本当に信頼すべき検証指標とは何か
順序を壊しても生き残るか
- トレード順をシャッフルしても成立するか
- モンテカルロで資金が耐えられるか
この視点がない検証は、
再現性の検証ではありません。
Delverを使えば、たった1回の外れ値を除外した真の実力値や、PFに現れない詳細なDD分布を瞬時に可視化できます。自分の手法が『数字だけの張りぼて』でないか、無料で今すぐ確認しましょう。
資金管理まで含めて「手法」
エントリー条件だけを見ている時点で、
検証はまだ半分も終わっていません。
- リスク率
- 想定DD
- 回復に必要な期間
これらを含めて、初めて「使える手法」です。
そして、それらのエントリー条件を探すのに欠かせないのが検証ツールになってきます。
こちらの記事では無料のバックテスト・検証ツールをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ|勝率とPFを信じる限り、再現性は手に入らない
破産は運ではなく設計ミス
- 勝率が高いから安全
- PFが良いから優秀
この思考そのものが、破産への最短ルートです。
また、バルサラの破産確率なども手軽に破産するかどうかを確認することができるのでおすすめです。
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生き残る手法は「分布」を見ている
見るべきなのは、
きれいな数字ではなく、汚い現実です。
- どれだけ沈むのか
- どれだけ耐えられるのか
- それがどれくらいの確率で起こるのか
それを見ない限り、
どんな数字も信用する価値はありません。


