ADXの本質と正しい使い方
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ADXの計算式、トレンド強度の判断方法、+DI/-DIの読み方、誤解されやすい落とし穴、実戦での応用を解説。
ADXの本質と正しい使い方
ADX(Average Directional Index)は、相場にトレンドがあるかないかを数値化する指標です。価格の方向ではなく「トレンドの強さ」にフォーカスしている点が特徴です。
1. 計算式と仕組み#
ADXは、+DI(プラス方向性指数)と-DI(マイナス方向性指数)から導かれます。
+DI = (前日高値差 ÷ ATR) × 100 -DI = (前日安値差 ÷ ATR) × 100 ADX = +DIと-DIの差の平滑化
- 値域は 0〜100
- 25以上で「トレンドあり」と判断することが多い。
2. 基本的な使い方#
- トレンド有無の確認
- ADX < 20 → トレンドレス(レンジ)
- ADX > 25 → トレンドあり
- +DIと-DIのクロス
- +DI > -DI → 上昇トレンド
- -DI > +DI → 下降トレンド
3. よくある誤解と落とし穴#
3.1 ADXが高い=上昇トレンドではない#
ADXは「強さ」だけを示す。下降トレンドでもADXは高くなる。
3.2 水準を固定的に解釈#
「25以上=必ず有効」とは限らない。市場や時間軸によって閾値は異なる。
3.3 単独利用の危険#
ADXは方向を示さないため、他の指標と併用必須。
4. 実戦での応用#
- ブレイクアウト検証
ADXが20→30に上昇する局面は新しいトレンド発生の可能性。 - フィルタリング
ADXが25未満のときはMAクロスやRSIのシグナルを無視する。 - 順張り強化
ADX上昇中にのみMACDクロスや一目均衡表を採用。
5. 他指標との組み合わせ#
- 移動平均線 … 方向性を補う。
- RSI … 過熱感と組み合わせて精度UP。
- ボリンジャーバンド … スクイーズ後のADX上昇は強力。
6. 実際に検証してみよう#
この記事の条件で検証するADXは「トレンドがあるかどうか」を判断するフィルタに最適。方向性を示さない点に注意し、必ず他指標と組み合わせて検証しましょう。
7. まとめ#
- ADXはトレンドの強弱を数値化。
- 25以上でトレンドが強い可能性。
- 単独ではなく、必ず方向性を示す指標と組み合わせる。