analysis

勝率60%でも負ける理由|R倍とDDを見ていない裁量の末路

ByRyujiro Tsuji
公開日
読了時間8

勝率60%という一見優秀な数字でも、R倍や最大ドローダウンを無視すると資金は減っていく。裁量FXが負けに転ぶ構造を、バックテスト視点で整理する。

勝率60%でも負ける理由|R倍とDDを見ていない裁量の末路

「勝率60%もあるのに、なぜか資金が減っていく」

裁量FXをやっていると、
こうした違和感にぶつかる人は少なくない。

実際、
勝率60%という数字自体は決して低くない。
それでも負けるときは、あっさり負ける。

その原因は、
勝率以外の“見ていない数字”にある。

まず、勝率を出すには検証ツールが必要だ。
以下は無料で使える検証ツールをまとめた記事なので、まだ使っていない人はぜひ参考にしてほしい。


勝率は高いのに負ける裁量トレードの正体

勝率は「結果の一部」でしかない

勝率とは、
単に「勝った回数 ÷ トレード回数」でしかない。

そこには、

  • どれくらい勝ったか
  • どれくらい負けたか
  • 一度にどれくらい削られるか

といった情報は一切含まれていない。

にもかかわらず、
裁量トレードでは勝率だけが強調されやすい。


勝っている感覚が生まれる理由

勝率60%の裁量トレードでは、

  • 勝ちトレードが続く
  • 日単位・週単位ではプラスになる

という場面が頻繁に起きる。

そのため、

  • 「このやり方、いけてる気がする」
  • 「自分には合っている」

という感覚が生まれやすい。

だが、
その感覚は数字で裏付けられていないことが多い。


理由① R倍(リスクリワード)が破綻している

勝ちトレードと負けトレードの大きさが違いすぎる

裁量トレードでよくあるのが、

  • 勝ちは小さく確定
  • 負けは「戻るかも」と引っ張る

というパターンだ。

結果として、

  • 勝ち:+0.3R
  • 負け:-1.0R〜-2.0R

といった歪なR倍構造になる。


勝率60%でも期待値がマイナスになる仕組み

仮に、

  • 勝率:60%
  • 平均勝ち:+0.3R
  • 平均負け:-1.0R

だった場合、期待値はこうなる。

0.6 × 0.3 − 0.4 × 1.0 = -0.22R

勝率が高くても、期待値はマイナスだ。

では、勝率が高くて期待値がプラスであれば完璧なのか?
それについては以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてみてほしい。


「コツコツ勝ってドカンと負ける」が起きる理由

裁量では、

  • 利益は安心するとすぐ確定
  • 損失は不安になるほど引っ張る

という人間的な行動が入りやすい。

その結果、
勝率だけが高く、構造的には負けるトレードが完成する。


理由② 最大ドローダウンを把握していない

DDを見ていない裁量トレードの共通点

裁量トレーダーの多くは、

  • 今いくら勝っているか
  • 直近で何連勝したか

は覚えている。

だが、

  • 最大でどれくらい資金が減ったか
  • それがどの頻度で起きるか

を把握していないケースがほとんどだ。


一度のDDでメンタルとロットが崩れる

DDを想定していないと、

  • 思ったより資金が減る
  • 不安になってロットを下げる
  • その後の勝ちを取り逃がす

という流れが起きる。

最大ドローダウンの分布。深いドローダウンが頻繁に発生している

ドローダウンは例外ではない。
想定していない深さのDDは、誰にでも一定確率で訪れる。

結果、

  • 成績がさらに不安定になる
  • 「最近調子が悪い」と感じ始める

「勝率が高い=安全」という錯覚

勝率60%という数字は、
安全そうに見える。

だが実際には、

  • DDの深さ
  • DDが起きる頻度

を知らなければ、
安全かどうかは判断できない。

勝率と最大ドローダウンの関係。勝率60%を超えても深いドローダウンが発生している

勝率が高くても、最大ドローダウンは浅くならない。
勝率60%を超えていても、致命的なドローダウンは普通に発生する。


理由③ 勝率は安定せず、R倍とDDは蓄積する

勝率は短期でブレる

勝率は、

  • トレード数が少ないほど
  • 相場環境に左右されるほど

大きくブレる。

60%だった勝率が、
気づけば50%を割ることも珍しくない。


DDはトレードを重ねるほど効いてくる

一方で、

  • R倍の歪み
  • DDの深さ

は、トレードを重ねるほど
確実に効いてくる。

短期では隠れていても、
長期では必ず表に出る。


裁量が長期で壊れる典型パターン

  • 勝率は高い
  • でも資金は増えない
  • メンタルが削られる

この状態が続くと、

  • 手法を変える
  • ロットを迷走させる

という「裁量の末路」に向かう。


バックテストで見ると何が起きているか

勝率・平均R・最大DDを同時に見る

バックテストでは、

  • 勝率
  • 平均R
  • 最大DD

を同時に確認できる。

すると、

勝率60%でも普通に負けるケース
いくらでも見つかる。


勝率60%でも破産確率が上がるケース

R倍が悪く、DDが深いと、

  • 一時的に勝っていても
  • いずれ資金が耐えきれなくなる

破産確率は、
勝率ではなくR倍とDDで決まる。


数字で見る「裁量の末路」

裁量トレードが崩れるとき、
原因はほぼ決まっている。

  • 勝率だけを見ていた
  • 構造を見ていなかった

それだけだ。


裁量トレードがハマりやすい思考トラップ

勝率だけを見て安心する

「勝率60%あるから大丈夫」

この思考が、
最も危険だ。


DDが出る前に「やり方を変えた」と思い込む

本当は、

  • R倍
  • DD

が原因なのに、
「相場が変わった」と解釈してしまう。


本当の原因に一生気づけない構造

勝率だけを見ている限り、
問題の本質にはたどり着けない。


結論:見るべきは勝率ではなく「R倍 × DD」

勝率は結果にすぎない。
R倍とDDは構造だ。

裁量トレードが
再現できるかどうかは、

  • 勝率
    ではなく、
  • R倍と最大DD

を見なければ分からない。

勝率60%でも負けるのは、
珍しいことではない。

むしろ、
よくある裁量トレードの末路だ。

では、
裁量トレードの実力は、具体的にどの数字をどう見れば判断できるのか。

その考え方を、
バックテスト結果の読み方として整理したのが、次の記事になる。

[会員登録不要・無料] Delverで検証する

再現性のあるバックテストを、プログラミング不要で実行可能です。Delverを使って、あなたのトレード戦略を今すぐ検証しましょう。

Delverで検証する

タップして詳細を確認