RSIを使っているのに、なぜか勝てなくなった
RSIを使い始めた頃は、
「それっぽく当たる」感じがした人も多いはずです。
- 売られすぎで反発した
- 天井っぽいところで下がった
- ネットや本に書いてある通りに見えた
それなのに、続けているうちにこう感じ始めます。
- 同じことをしているはずなのに、結果が安定しない
- 勝てる月と、全くダメな月の差が激しい
- 「RSIって結局使えないのでは?」という疑念
この違和感は、かなり多くの裁量トレーダーが通るポイントです。
これらの現象はこちらの記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。
RSIは「勝つサイン」を出す指標ではない
RSIはそもそも何を測っている指標なのか
RSIは、一定期間における
上昇と下落のバランス(相対的な強弱) を数値化した指標です。
重要なのは、
- 「上がる・下がる」を予測する指標ではない
- トレンドの方向を保証するものでもない
という点です。
RSIが70を超えたからといって、
「ここから下がる」と決まっているわけではありません。
RSIだけで売買すると起きやすい勘違い
裁量トレードでは、よく次のような使い方がされます。
- RSIが70以上 → 売り
- RSIが30以下 → 買い
一見するとシンプルですが、実際の相場では、
- 強いトレンド中は、RSIが張り付いたまま進む
- 「売られすぎ」「買われすぎ」が長時間続く
といった場面が普通に起こります。
RSIは便利な指標ですが、
それだけでエントリー根拠になるほど万能ではありません。
RSIが勝てない理由は、設定ミスではない
RSIで勝てないと感じたとき、多くの人がまず疑うのはここです。
期間を変えれば、なんとかなるのでは?
- 14 → 9 にする
- 14 → 21 にする
確かに、結果は変わります。
ただし 安定するとは限りません。
30・70を動かせば改善するのでは?
- 20・80 にする
- 40・60 にする
これも一時的には「良さそう」に見えることがあります。
しかし、これらの検証方法はまさに検証してるのに勝てない理由です。
インジケータを足せば精度が上がるのでは?
- 移動平均
- ボリンジャーバンド
- MACD
気づけば、チャートが情報だらけになります。
しかし、ここで起きているのは
設定をいじっているだけで、本質は何も変わっていない
という状態です。
なぜRSIの結果は、毎回こんなに変わるのか?
RSIが勝てない最大の理由は、
裁量トレード特有のズレ にあります。
同じRSIでも「入った位置」が毎回違う
- ローソク足が確定する前に入った
- 少し引きつけた
- 次の足を待った
RSIの数値が同じでも、
実際のエントリー位置は人によってズレます。
このズレは、後から検証しようとすると再現できません。
利確・損切りがその場判断になりやすい
RSIは、エントリーの目安にはなっても、
- どこで利確するのか
- どこで損切りするのか
を教えてくれる指標ではありません。
結果として、
- 伸びそうだから引っ張る
- なんとなく不安で早めに切る
といった判断が混ざり、
同じRSIでもトレード内容が毎回変わります。
相場の雰囲気を無意識に判断している
裁量トレードでは、無意識にこう考えています。
- 今はトレンド相場っぽい
- 今日はボラがありそう
- この形は危なそう
これらは経験として重要ですが、
ルールとして固定されていない ため、検証では再現できません。
実際にデータで見てみると、RSIはこうなる
ここで感覚の話を一度止めて、
条件を完全に固定したRSI戦略 をデータで見てみます。
ルールをシンプルに固定して検証してみる
例として、以下のような単純なルールを考えます。
- RSIが30以下 → 買い
- RSIが70以上 → 売り
- 利確・損切りは固定
- 通貨ペア・時間足も固定
裁量は一切入れません。
FXでインジケータ全般のバックテストを行えるツールはこちらの記事にまとめました。
時期が変わるだけで、結果が別物になる
このルールを、
- 年ごと
- 相場環境ごと
に分けて検証すると、次のような現象が起きます。
- ある期間では勝率が高い
- 別の期間では連敗が続く
- 最大ドローダウンが大きくブレる
RSI自体は何も変わっていないのに、
相場が変わるだけで結果が崩れます。
「勝てたところだけ」を見ると、全部うまくいっているように見える
検証結果の中から、
- 勝てている期間だけを切り取る
- うまくいった例だけを記憶する
と、「RSIは使える」という結論に見えます。
しかし、それは
後から見ているだけ であって、
実運用で同じ結果を出せる保証にはなりません。
年ごとに分けたRSIのエクイティカーブ
同一ルール・同一通貨ペア・同一時間足で、
RSI戦略の結果を年ごとに分解したものです。
このグラフを見ると、
- 右肩上がりになる年
- ほぼ横ばいの年
- 途中から崩れる年
が同時に存在していることが分かります。
RSIのロジック自体は一切変えていません。
変わっているのは相場の時期だけです。
年ごとの最大ドローダウンを見てみる
次に、同じRSIルールを使った場合の
年別の最大ドローダウンです。
年によって、
- 数%で済んでいる年
- 二桁近いドローダウンが発生している年
が混在しています。
これは裁量ミスではありません。
同一ルールでも、耐えなければならないリスク量が
年ごとに全く異なる ことを示しています。
このように正しいバックテスト結果を読むためには、
いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
以下の記事ではそれらを整理していますので、ぜひ参考にしてください。
RSIが悪いわけじゃない。問題は「揃えられないこと」
ここまで見てきた通り、
- RSIが悪い
- RSIが古い
という話ではありません。
問題は、裁量トレードでは、
- エントリー
- エグジット
- 相場判断
が 毎回少しずつズレる ことです。
同じことをしている「つもり」になっている
人間の感覚では、
前と同じRSIの形だから、同じトレード
と思っていても、
実際には条件が揃っていません。
だから、検証しても答えが出ない
条件が揃っていない状態で検証すると、
- 勝てるのか
- 負けるのか
- 改善すべきなのか
が判断できなくなります。
これが
「RSIは勝てない」と言われる本当の理由 です。
これらは裁量だからこういう現象が起きているわけではなく、正確にバックテストをし、正確なデータが入手できたとしても読み手が人間であればバイアスが働き正確に読めずに実践との勝率やDDが乖離するという現象が置きます。
RSIを使うなら、最低限ここは揃えないと意味がない
RSIを使い続けるのであれば、最低限、
- エントリー条件を数値で固定する
- 利確・損切りを感覚で変えない
- 相場条件を後付けしない
この3つは必要です。
これが揃って初めて、
RSIのトレード結果を
「検証できるもの」として扱えます。
それに伴い、それらを検証するためにはどうすればいいか?
詳しいバックテストのやり方はこちらの次のページにまとめておりますのでぜひ参考にしてください。



