ケリー基準の本質と正しい使い方
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ケリー基準は勝率と損益率から最適なリスク割合を導く数式。資金を守りつつ成長させるための理論と実践方法を解説。
ケリー基準の本質と正しい使い方
ケリー基準(Kelly Criterion)は、勝率と損益率をもとに1回のトレードで資金の何%をリスクにさらすべきかを計算する方法だ。
理論的には資金成長率を最大化するが、実際にそのまま使うとリスクが大きすぎることもある。
1. ケリー基準とは?#
ケリー基準の式は以下のとおり:
f* = (bp - q) / b
- f* = 資金のうちリスクにさらす割合
- b = リスクリワード比(平均利益 ÷ 平均損失)
- p = 勝率
- q = 1 − p
例: 勝率50%、損益率2(平均利益が平均損失の2倍)の場合、
f* = (2×0.5 − 0.5) / 2 = 0.25 → 資金の25%をリスクにさらすのが理論上の最適解。
2. 初心者が覚えるべき使い方#
- ケリー基準は理論上は最適だが、実運用ではリスクが高すぎることが多い
- 実際は ハーフケリー(50%) や クォーターケリー(25%) が現実的
3. よくある誤解と落とし穴#
3.1 フルケリーでの運用#
フルケリーは理論上の最適だが、現実では大きなドローダウンに耐えられない。
3.2 勝率や損益率の見積もりが不正確#
バックテストや検証データが正しくないと、計算結果が全く当てにならない。
4. 上級者の応用#
4.1 部分ケリーの活用#
- フルケリーの50%(ハーフケリー)を用いると、成長率を維持しつつドローダウンを抑えられる。
4.2 戦略ごとの最適化#
複数の手法を組み合わせる場合、それぞれに対してケリー基準を算出し、ポートフォリオ全体のリスクを調整する。
5. 実際に検証してみよう#
ケリー基準は机上の理論だけではなく、自分の戦略の勝率と損益率で試算してみることが重要だ。
この記事の条件で検証する6. まとめ#
- ケリー基準は「勝率と損益率」から導かれる最適リスク割合
- フルケリーは危険、実際はハーフやクォーターを使うのが現実的
- バックテストで自分の戦略ごとに最適な割合を算出することが重要
ケリー基準は「資金を増やすための加速装置」だ。
ただし必ずリスクを調整して使うこと。