パラボリックSARの本質と正しい使い方
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パラボリックSARの計算原理、シグナル解釈、トレーリングストップとしての活用法、誤解されやすい点を体系的に解説。
パラボリックSARの本質と正しい使い方
パラボリックSAR(Stop And Reverse)は、トレンドフォローと同時にストップ位置を明示するユニークな指標です。開発者J. Welles Wilderは、ADXやATRと並ぶ代表的なトレンド系指標として提案しました。
1. 仕組みと計算式#
パラボリックSARは、価格に追随するドット(点)としてチャートに描画されます。
トレンドに沿って加速的に追随し、価格を逆抜けすると売買シグナルが発生します。
SAR(n+1) = SAR(n) + AF × (EP - SAR(n))
- EP: Extreme Point(トレンド中の最高値/最安値)
- AF: Acceleration Factor(加速因子、通常0.02~0.2)
2. 基本的な使い方#
- 買いトレンド中
SARがローソク足の下に位置 → 上昇継続 - 売りトレンド中
SARがローソク足の上に位置 → 下降継続 - 反転シグナル
価格がSARを反対側に抜けるとトレンド転換シグナル
3. よくある誤解と落とし穴#
3.1 レンジ相場でのダマシ#
横ばい局面では頻繁に反転サインが出て損切り多発。
3.2 AF設定の固定信仰#
AFを高くすると感度が増すがダマシも増える。市場特性ごとに調整が必要。
3.3 単独利用の危険#
SARはトレンド継続に強いが、トレンド有無の判定は別指標と併用すべき。
4. 実戦的な応用#
- トレーリングストップ
利確や損切り位置の自動化に最適。SARのドットに沿ってストップを移動。 - トレンドフィルタと併用
ADX>25や移動平均上昇中に限定して使うと精度向上。 - スイング検出
SARの反転でポジション転換する戦略も可能(ただしレンジでは不利)。
5. 他指標との組み合わせ#
- ADX … トレンド有無の判定。
- 移動平均線 … 大局の方向確認。
- MACD … トレンド強度の補強。
6. 実際に検証してみよう#
この記事の条件で検証するパラボリックSARは「トレーリングストップ」としての利用価値が高いです。トレンド発生時にだけ使うルールを作り、必ず検証で裏付けましょう。
7. まとめ#
- SARは「Stop and Reverse」の名の通り、トレンドフォロー+ストップ管理が本質。
- AFの調整が精度の鍵。
- レンジ回避とフィルタリングを併用するのが必須。