EURUSDにEMAゴールデンクロスは有効か?バックテスト結果と徹底検証
EURUSDにおけるEMAゴールデンクロス戦略をバックテストし、勝率・プロフィットファクター・ドローダウンを数値で公開。ゴールデンクロスは本当に通用するのかをデータで徹底解説します。
EURUSDとEMAゴールデンクロスの相性を検証する理由#
EURUSD(ユーロドル)はFX市場で最も取引量が多く、世界中のトレーダーが取引している通貨ペアです。
流動性が高くスプレッドも狭いため、スキャルピングからスイングまで幅広い手法で利用されます。
一方で、EMAゴールデンクロス(短期EMAが長期EMAを上抜けるサイン)は「トレンド転換シグナル」として有名ですが、
果たして最も流動性の高いEURUSDでどの程度機能するのか?実際にバックテストで検証しました。
結果から書くと、RSIよりも圧倒的に良い結果となりました。
過去のRSI検証記事はこちら
検証条件#
バックテストには、プログラミング不要で使えるDelverを使用しました。

- 通貨ペア: EURUSD
- 時間足: 1分足、15分足、1時間足
- EMA期間: 短期EMA = 50、長期EMA = 200
- エントリー条件: ゴールデンクロスでロング、デッドクロスでショート
- イグジット条件: 反対シグナル発生時にクローズ
- 利確: ATR × 2
- 損切: ATR × 1.5
- スプレッド: 0.2pips
- スリッページ: 0.2pips
👉 同じ条件をワンクリックで再現したい方はこちら →
この記事の条件で検証するバックテスト結果#
1分足#

指標 | 結果 |
---|---|
PF (プロフィットファクター) | 0.5206 |
勝率 | 27.94% |
最大ドローダウン | 55.5% |
トレード回数 | 1,156 |
- 勝率は約28%まで出ていますが、PF0.52で期待値はマイナス。
- 超短期ではクロスが頻発し、ノイズ(往復ビンタ)でリスクリワードが崩れるのが主因。
- 1分足スキャルでEMAクロス単体運用は非推奨。
15分足#

指標 | 結果 |
---|---|
PF(プロフィットファクター) | 0.761 |
勝率 | 48.68% |
最大ドローダウン | 5.599% |
トレード回数 | 76 |
- PF0.76でまだ1未満だが、勝率は5割近く、DDも5.6%と低水準で安定度は高い。
- 1分足よりはクロスの質が改善し、「だまし」も減少。
- とはいえ、単体ではプラスに届かないため、フィルター(ADXやトレンド判定)や分割利確などの工夫が必要。
1時間足#

指標 | 結果 |
---|---|
PF(プロフィットファクター) | 1.6367 |
勝率 | 64.29% |
最大ドローダウン | 2.18% |
トレード回数 | 14 |
- PF1.64・勝率64%・DD2.18% と、明確にプラス期待値。
- 時間足を伸ばすとトレンドの持続性が活き、EMAクロス本来のトレンドフォロー力が発揮される。
- ただしサンプル数(トレード回数14)がやや少ない点は留意。期間拡張や他年次の検証で再確認したい。
考察:どこで効き、どこで効かないのか?#
- 短期(1分):価格変動の微細な揺れでクロスが多発 → ノイズ優位。損小利大の設計でもPFが伸びにくい。
- 中期(15分):ノイズ減で安定度は上がるが、単体ではまだ優位性不足。フィルタリングが鍵。
- 長期(1時間):トレンドの継続を捉えられ、EMAクロスが最もハマる。ただしサンプル拡張は必須。

👉 結論として、EMAゴールデンクロスはスイング寄りの時間足でこそ真価を発揮し、
スキャルピングの主軸に据えるよりも、上位足の方向確認や押し目・戻りの再エントリー補助として使うのが現実的。
他ペアとの比較#
EURUSDでは上記の通りだが、ペアごとに傾向は異なる。
👉 複数ペアで検証することで、EMAゴールデンクロスが「効く市場」と「効かない市場」を見極められる。
まとめ#
今回の「EURUSD × EMAゴールデンクロス(50/200)」戦略の結果は以下の通り。
- 1分足:PF 0.5206 / 勝率 27.94% / 最大DD 55.5% / トレード 1,156
- 15分足:PF 0.761 / 勝率 48.68% / 最大DD 5.599% / トレード 76
- 1時間足:PF 1.6367 / 勝率 64.29% / 最大DD 2.18% / トレード 14
- 短期足ではノイズ優位でマイナス期待値。
- 15分は安定度はあるが単体では不足。
- 1時間足で明確にプラス期待値(ただしサンプル拡張が必要)。
Delverならログイン不要・30秒で同じ検証を再現できます。
あなたの通貨ペア・期間でも検証し、自分の条件での優位性を確認してください。
FAQ#
EMAゴールデンクロスはどの通貨でも有効ですか?#
いいえ。通貨ペアや時間足によって有効性は異なります。本記事ではEURUSDの1時間足でのみ明確な優位性が確認できました。
EMAの期間を変えたら結果は変わりますか?#
はい。短期・長期EMAの設定によって結果は変動します。
Delverで期間を振って、過剰最適化を避けながら検証してください。
他のインジケータと組み合わせることはできますか?#
はい。ADXでトレンド強度をフィルタ、ATRで損益比を調整、RSIでエグジットを補助するなど、複合化で安定性が向上します。